top of page

拉致を決して風化させずに

更新日:2018年7月25日

松田紗織

(29年4月4日 産経新聞談話室 掲載)

 昭和52年11月に横田めぐみさんが北朝鮮に拉致されてから今年で40年になる。別の拉致被害者、松木薫さんの弟、信宏さんが「もし拉致が風化すれば、それは日本が終わるときだ」と話しているそうだが、全くその通りだと思う。

 日本政府は一部の拉致事件を把握していながら、その事実を長く公表してこなかった。複雑な背景や外交的配慮、理由があったのだろうが、いかなる事情があったにせよ、「国民の生命を守る」という国の責務を放棄していたことには変わりない。

 あまりにも長い歳月が流れたが、拉致問題は一向に解決への道筋が見えない。

 拉致被害者家族会は、「今年中に解決を」と期限を示した。高齢化した家族には「これ以上待てない」という焦りがあるのだろう。そして、事件が風化してしまえば、国民を見捨てても平気な国ができてしまう。家族らは、そう訴えているようにも思える。

閲覧数:95回0件のコメント

最新記事

すべて表示

拉致解決に向けた道筋示せ

松田紗織 (平成26年12月9日付 産経新聞朝刊) 衆議院選挙が終わり、新たな国会議員の顔ぶれも決まった。選挙戦では、さまざまな課題で論戦が交わされたが、各党はいま一度、拉致問題に真摯(しんし)に取り組む姿勢を見せてほしい。 これまで政権が変わる度に、新しい首相や拉致問題担当相は「最重要課題として、拉致問題に取り組む」と表明してきた。しかし、ここ年を振り返ってみると、とても結果を出したとは言い難

「拉致」解決へ政府は本腰を

松田紗織 (平成27年12月2日付 産経新聞朝刊) 北朝鮮が拉致被害者らの再調査に合意してから1年半近くになる。しかし、今になっても解決に向けた前進の兆しは見えない。 拉致被害者の多くは、30年以上も行方がわかっていない。被害者や家族にとって、あまりにも長い時間が流れた。再会を果たせずに亡くなられた家族もいる。 中には身寄りのない人をターゲットにした事件もあるが、家族や親類でなくても、日本国民であ

bottom of page