池田沙織
報道でご存知の方もおられると思いますが北朝鮮に拉致された有本恵子さんの父 明弘さん(96)が逝去されました。レブラくんが最後にお会いしたのは昨年7月。妊娠中だと伝えるとレブラくんのお腹に手を当て笑顔で「子どもは沢山産みや。うちの家内はよう産んだ」と笑顔でそう言われたのを思い出します。

言わずもがなそのうちの1人が愛娘の恵子さんだったわけです。 思い返すとレブラくんが学生時代の頃から20年近くのお付き合いでした。電話の冒頭で「お父さんですか?」と尋ねるといつも「お父さんやでぇ」と優しく答えて下さいました。家にも何度もお邪魔し、お酒も一緒に沢山飲みました。
有本のお父さんは「拉致問題解決はこの国の世直し」と言っておられました。それは娘が北朝鮮にいることが分かった当初から毎週のように上京し、警察や外務省や政治家をたらい回しにされた挙げ句必死に救出をお願いしても冷たくあしらわれた体験をされた上での発言だったと思います。 後年のお父さんの強い訴えはトランプ大統領にも響いたようで、トランプ大統領は時間を延長してまでお父さんの話を熱心に聴き、後日には直筆の手紙も届きました。
晩年、お父さんはトランプ大統領に期待を託しておられました。今回彼が再選を果たしたことにより少し安心して天国に旅立たれたのかもしれません。しかし拉致問題は我が国の問題です。我が国が被害者を救出することでお父さんの言われている「この国の世直し」ができるのだと思います。 お父さんがご存命のうちに恵子さんを取り戻せず、運動を続けてきた自分としては申し訳ない気持ちしかないですが、お父さんと、そして5年前に旅立たれた嘉代子さんに報いるためにも今後も出来ることから活動を継続していきます。お父さん、今まで本当にありがとうございました。お父さんの御冥福をお祈りいたします。
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