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北朝鮮による日本人拉致

更新日:2018年7月25日

荒木和博


 北朝鮮による日本人拉致については様々な書籍・論文が発行されており、またこのホームページからリンクしている各団体のサイトでも概略は理解いただけると思います。ここでは特に安全保障に関わる部分について書いておきます。


 活動記録の中の福井の調査に関するページをご覧いただければ分かるように、日本の海岸線はほとんど守ることができないというのが現状です。拉致問題は本質的に安全保障の問題であることは明白で、にもかかわらずこれまで日本ではそのようなとらえ方はされてきませんでした。


 日本の海岸線は約34,000kmあり、これはアメリカ合衆国の海岸線の倍にあたります。国土面積あたりの海岸線の長さは世界一です。国土面積に領海及び排他的経済水域の面積をあわせると世界9位の「大国」が日本なのです。

もちろん、ヨーロッパなどで行われた事件もありますが、北朝鮮による日本人拉致の大部分は日本国の領土領海に不法に侵入する北朝鮮工作員によって行われてきたのであり、国家の守りが万全であればかなりの事件は防ぎ得たと思います。日本人拉致事件は1950年代に始まり、今日に至っています。日本の安全は今も脅かされ続けており、今後も北朝鮮は必要であれば拉致を行うでしょう。日本国内にはまだ多数の工作員が存在していますが、スパイ防止法も存在しない日本ではいくら警察が努力してもそれを根絶することは不可能です。


 北朝鮮は権力の源泉をソ連・スターリンに求め、その指名によって指導者となった金日成が息子の金正日に権力を世襲するという異常な国家です。そして、インフラは日本の時代に建設されたものを使い、軍は中国からもらった部隊とソ連の指導によって作り上げました。国家ができるにあたって必要なものの大部分を他からもらった北朝鮮は、「足りなければ外から奪ってくれば良い」という、まさに「遊撃隊」精神によって、略奪や詐取などで国家を運営してきたと言っても過言ではありません。その結果の一つが拉致であり、従って拉致事件は放っておけば今後も起き続けるでしょう。


 私たち予備役ブルーリボンの会の会員は全員がかつて自衛官(予備も含め)だった者、あるいは現在予備自衛官・即応予備自衛官・予備自衛官補であるもので構成されています。国家の安全保障に携わってきたものとして、その不備によって引き起こされた事件については私たちの視点からの発言、そして行動がなされなければならないと思います。最近、田母神前空幕長の論文などをめぐって自衛官の発言について様々な見解が飛び交っていますが、現状の不備はそれを知るものが発言し、直していく努力をしなければいけないと思います。


 拉致問題の解決こそが、日本国民と日本国の安全を守る第一歩になるものと確信する次第です。

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