2014年12月27日3 分人生で4番目(に苦しい作戦)16最終回伊藤祐靖 「ちっちぇ~」あの大きく、ずっしりと重かった国旗は、途方もなく小さかった。そして軽々と悠々と翻っていた。 しかし、美しかった。 美的感覚など全くない私だが、そう感じた。教育とか習慣によって植え付けられたものではなく、そのとき初めて沸き上がった感覚だった。...
2014年12月25日3 分人生で4番目15伊藤祐靖 「第1桜丸」に戻ると、海上保安官が3名待っていた。 「お名前は?」 「伊藤です」 「魚釣島に上陸されましたね?」... 「はい」 「何時に上陸しましたか?」 「今朝、マルヨンマルマル04:00です」 「は?」 「みんなが飛び込む以前、夜が明ける前に一人で行きました...
2014年12月11日2 分人生で4番目14伊藤祐靖 最後の2mは、波の寄せるタイミングを見ながら、海に滑り込んだ。1分くらいは、呼吸もせず、うつ伏せになってただ海水に身を任せて漂っていた。そうこうするうちに体温も下がって、ようやく動く気になってきた。静かに深く呼吸をしてからフィンを装着し、水路の出口まで行った。巡視...
2014年12月6日4 分人生で4番目13伊藤祐靖 航空機からよく見えるように2枚目の国旗を崖上に設置し、07:50すべての作業を終了した。「1枚目の国旗もちゃんと張れてるはずだ!」と無理やり確信しながら、人生最高の景色、大海原に背を向けて下山を開始した。 下山を始めてまもなく、サイレンが聞こえてきた。何だ?? 何...